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『津久見市文化財保存活用地域計画』について
津久見市内の多種多様な文化財を総合的に見直し、適正な保存・活用を図り、確実に次世代に継承するため、令和7年10月に『津久見市文化財保存活用地域計画』(素案)を作成し、同年12月に国の文化審議会の答申を受け、法定計画として文化庁長官から認定されました。
今後は、地域計画に定める取組の推進により、地域住民の本市の歴史文化に対する愛着や誇りが深まり、住民主体による歴史文化の継承の機運が高まること、多様な主体が歴史文化を活かした取り組みを行うことで、交流人口による地域活性化につなげていくことなどを目指します。
文化財保存活用地域計画とは
平成31年4月に施行された改正文化財保護法において創設された制度で、各市町村において取り組んでいく目標や取組の具体的な内容を記載した、市町村の文化財の保存・活用に関するマスタープランでありアクションプランです。
作成の経緯
令和5年より、津久見市内の多種多様な文化財を総合的に見直し、適正な保存・活用を図り、確実に次世代に継承するため、津久見市文化財保存活用地域計画作成協議会を設置し、作成に着手しました。文化財の所在把握にあたっては、地元調査員や区長をはじめとした市民のみなさまのご協力のもと現地調査を行いました。
令和7年10月に『津久見市文化財保存活用地域計画』の素案をまとめ、文化財保護法に基づく地域計画として認定されるよう、文化庁に申請を行っていました。
『津久見市文化財保存活用地域計画』の概要
計画作成の背景と目的
津久見市は三方山地に囲まれ、豊後水道に面した温暖な気候によって、古くから自然の恵みを受けてきました。その豊かな自然は、様々な歴史や文化、伝統を生み出し、地域の資源として本市固有の地域性を形成してきました。
しかし、近年、文化財を取り巻く社会情勢は大きく変化しており、人口減少や少子高齢化による担い手不足、保存・管理の難しくなっている文化財も多く、滅失・散逸のおそれ、また社会環境の変化及び価値観の多様化による文化財への興味・関心の希薄化といった課題がより一層顕著となることが予想されます。
そこで、市内の多種多様な文化財を総合的に見直し、適正な保存・活用を図り、確実に次世代に継承するため、これまでの取組を継続・発展させ、地域で育まれてきた固有の歴史文化や文化財そのものを活かしたまちづくりに取り組むことを目的として、『津久見市文化財保存活用地域計画』を作成しました。
計画の期間
令和8年度(2026)から令和17年度(2035)(10年間)
計画の対象
地域計画では、文化財保護法に規定されているもののほか、本市に残る豊かな自然、ふるさとの歴史と伝統により育まれた「津久見らしさ」を表す多様な「もの」、「こと」等すべての文化財を「地域資源」として位置付けます。

歴史文化の特性
本市の自然的・地理的環境、社会的環境、歴史的環境や文化財の概要を踏まえて、歴史文化の特性を三つにまとめました。
1.豊かな自然とともに生きる歴史文化
2.宗麟の統治によって生み出された歴史文化
3.近世の分割から統一への過程の中で育まれた歴史文化 ー明治以降の津久見の発展ー
関連文化財群
関連文化財群とは、様々な文化財を歴史的・地理的な関連性に基づき一定のまとまりとして捉えたものです。共通した内容やつながりをストーリーとして語ることによって、本市の歴史文化の理解を深め、市民が文化財を身近なものに感じられることを目的としています。
歴史文化の特性を踏まえて、六つの関連文化財群を設定しました。

| 概 要 | 構成文化財の例:網代島 |
|---|---|
| 豊後水道に面したリアス海岸や津久見湾を囲む山々は、風光明媚な景観と温暖な気候を育み、風土を築き上げてきた。こうした豊かな自然や地形のもと、先人は温暖な気候や山の斜面、海や山の資源を活用してきた。 | ![]() |
| 概 要 | 構成文化財の例:尾崎小ミカン先祖木 |
|---|---|
| 本市は、平地が少ないことから、山の傾斜地に石を築き上げて造られた段々畑のみかん園や地元の建築素材を使って建てられたみかん小屋は、みかん農家の人たちの暮らしの中で生み出された津久見ならではの農業遺産であり、津久見の原風景として残しておきたい景観の一つである。 |
| 概 要 | 構成文化財の例:津久見の石灰石鉱山 |
|---|---|
| 本市は、良質で豊富な石灰石と、鉱山から海までが近く、リアス海岸という地理的条件を活用し、江戸時代から石灰・セメント鉱業により発展してきた。こうした石灰石産業は、本市の経済だけでなく、現在もなお日本のインフラを支えている。 |
| 概 要 | 構成文化財の例:大友氏別館跡 |
|---|---|
| 本市は、キリスト教王国を目指した大友宗麟ゆかりの地である。本市の中世の歴史は宗麟の生きた時代に残された文化財からうかがうことができる。没後400年以上たった今も「宗麟ユートピア構想」が策定されるなど、その存在は、本市に大きな影響を与えている。 | |
| 概 要 | 構成文化財の例:未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選 |
|---|---|
| 本市は、江戸時代、北半分が臼杵藩に、南半分が佐伯藩に分割され、統治されてきた。18世紀以降は、豊後水道や瀬戸内海を利用して旅船・地船が行き交い、産物を通して「ひと」、「もの」の交流が盛んに行われた。津久見湾岸域一帯にはそうした人々の暮らしや豊漁祈願、航海や海上での安全等を願う信仰の歴史を伝える文化財等が数多く残っている。 | |
| 概 要 | 構成文化財の例:角尾崎新埠頭建設之碑、新道建設之碑、角崎市郎翁頌徳碑、麻生武吉翁功碑 |
|---|---|
| 本市には、数多くの記念碑が残っている。これらの碑文を読むと、先人の業績の恩恵に浴してきたことが分かる。さらに、こうした記念碑を通して近代の津久見の礎を築いてきた人たちの偉業を知り、本市発展の歴史の一端を知ることができる。 |
基本理念と基本方針
◆基本理念
自然豊かな津久見市で育まれ「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「知る」、「守る」、「活かす」
◆基本方針
基本方針1 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「知る」
基本方針2 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「守る」
基本方針3 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「活かす」
文化財の保存・活用に関する課題・方針・措置
| 基本方針 | 主な取組 |
|---|---|
| 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「知る」 | 把握調査等の実施、専門的な研究活動の実施、調査・研究成果の公開と共有、インターネットを活用した情報発信 |
| 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「守る」 | 守る体制づくり、指定等による保護施策の実施、資料収集と保存施設の整備、民俗芸能の継承と支援、市民参加の保全活動の推進、社会教育との連携、学校教育との連携 |
| 「津久見らしさ」を創り出してきた文化財を「活かす」 | 文化財の整備の展開、デジタル技術による文化財活用の推進、回遊性の向上とガイダンス機能の整備、文化財を活用した取組、地域と大学及び研究機関との連携事業の展開 |
津久見市文化財保存活用地域計画
本編
序章 文化財保存活用地域計画について
第1節 計画作成の背景と目的
第2節 計画作成の経過
第3節 計画の位置付け
第4節 計画期間
第5節 計画の対象
第1章 津久見市の概要
第1節 自然的・地理的環境
第2節 社会的環境
第3節 歴史的環境
第2章 津久見市の文化財の概要
第1節 指定等文化財
第2節 埋蔵文化財
第3節 未指定文化財
第3章 津久見市の歴史文化の特性
第4章 津久見市の文化財の保存・活用に向けた基本理念・基本方針
第1節 文化財の保存・活用に向けた基本理念
第2節 文化財の保存・活用に関する基本方針
第5章 津久見市の文化財の把握状況と保存・活用に関する課題・方針
第1節 文化財に関する既往の把握調査と把握状況
第2節 文化財の保存・活用に関する現状と課題
第3節 文化財の保存・活用に関する方針
第6章 津久見市の文化財の保存・活用に関する措置
第7章 文化財の一体的・総合的な保存・活用に関する方針と措置
第1節 津久見市の関連文化財群
第2節 関連文化財群の保存・活用に関する方針と措置
第8章 津久見市の文化財の防災・防犯に関する方針と措置
第1節 文化財の防災・防犯に関する現状と課題
第2節 文化財の防災・防犯に関する方針
第3節 文化財の防災・防犯に関する措置
第9章 津久見市の文化財の保存・活用の推進体制




